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発泡プラスチック建築技術協会

外張断熱耐震改修工法(SIR工法)とは?

SIR工法の概要・特長 ~耐震改修+断熱改修~

 SIR工法は通常の構造用合板による壁耐力向上に加え、構造用合板の外側から発泡プラスチック断熱材を外張断熱工法で施工することにより、壁基準耐力が大幅に向上するものです。
 外張断熱工法は躯体の外側に連続した断熱気密層を形成し、熱橋が少ないという特徴をもつ優れた断熱工法であり、現在では住宅金融支援機構の工事共通仕様書にも標準工法として掲載されています。既存の外装材を撤去することが前提になるため、耐震改修と併せて実施することは工期や工費等の面で効果的であるといえます。
 SIR工法は、標準的な外張断熱工法と比較して耐震性能を向上させるための固有の留意事項が何点かありますが、ほぼ標準的な外張断熱工法を踏襲したものです。標準的な外張断熱工法を施工する技術を有する施工者であれば、特別な材料を用いることなく実施することができます。
 ただし、SIR工法は(一財)日本建築防災協会の技術評価を得ており、実施する際の設計者、施工者には一定の資格要件があるほか、当協会が主催又は共催するSIR工法の技術講習会を受講し登録証を取得することが必要となります。

SIR工法の適用範囲 ~在来軸組構法既存木造住宅 ~

 SIR工法の適用範囲は、「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法(一般財団法人日本建築防災協会)」が適用可能な、下表の条件を満たす在来軸組構法既存木造住宅の外壁で、躯体が劣化していない、あるいは劣化部分の改修を終えたものとします。

項 目 適用条件
建物用途 住宅(事務所・店舗併用住宅を含む)
規 模 階 数 3 階建て以下
延床面積 500㎡以下
軸組寸法 柱及び横架材 公称105㎜角以上
間柱寸法 柱間 公称30㎜×105㎜以上
柱芯間距離 900㎜以上、1,000㎜以下
横架材内法 2,400㎜以上、3,000㎜以下
既存基礎

 基礎Ⅰ又は基礎Ⅱ(適切に補修されることを前提としたひび割れのある鉄筋コンクリート造の基礎又はベタ基礎、若しくは無筋コンクリート造の基礎に限る)

 躯体の劣化の程度に関しては、「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法 資料編 6.老朽度と劣化の評価法」により、本耐震改修工法の施工部位が「①劣化が認められない」と判定されることを確認します。
「②部材に部分的な劣化が認められる」もしくは「③部材に著しい劣化が認められる」と判定される場合には、当該部材の取り替えや補修などを行い、「①劣化が認められない」と判定される状態に改修します。
 また、本耐震改修工法を適用する外壁の基礎は既存基礎形状が基礎Ⅰと判定される場合を原則とし、既存基礎形状が基礎Ⅱもしくは基礎Ⅲと判定される場合は、補強後の評価が基礎Ⅰとなるよう適切な補強を行う必要があります。ただし、基礎Ⅱである無筋コンクリート基礎については、低減係数により壁基準耐力を低減して適用することができます。

「 2012 年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」

SIR工法の使用材料

 SIR工法は構造用合板の外側に発泡プラスチック断熱材を張り、通気胴縁を介して専用ビスで留め付ける工法です。木材以外の主な使用材料は次の通りです。

 ・構造用合板 ・・・・
JAS規格適合品である厚さ9 ㎜(特類・2 級(C-D)以上)
留め付けはJIS A 5508(くぎ)に規定される太め鉄丸くぎCN50
 ・発泡プラスチック断熱材 ・・・・
(一社)発泡プラスチック建築技術協会会員各社が販売する「SIR-EPS」で厚さが25~100 ㎜のもの(規格は下表)
※は指定材料

SIR-EPS(発泡プラスチック断熱材)の規格

JIS 規格 種類 密度(kg/m³)
JIS A 9511 ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材 1号 30 以上
特号 27 以上
JIS A 9521 ビーズ法ポリスチレンフォーム断熱材 1号 30 以上
EPS 断熱材とは?
 ・通気胴縁留付材 ・・・・
外張断熱用木ねじ(シネジック株式会社製「パネリードⅡ+」又は若井産業株式会社製「Xポイントビス」)を用い、柱への埋め込み⾧さ43 ㎜以上を確保すること
※は指定材料

    発泡プラスチック断熱材の厚さに対応する外張断熱用木ねじの規格
    (構造用合板厚さ9㎜、通気胴縁厚さ18㎜の場合の例)


  • パネリードⅡ+の形状図

  • Xポイントビスの形状図