断熱材とは?
断熱材とは熱伝導を抑えた材料で、JIS A 9521では23℃における熱伝導率が 0.065W/(m・K)以下の材料を断熱材としています。 断熱材にはいろいろな種類がありますが、大きく分類すると繊維系断熱材と発泡樹脂系断熱材に分けられます。
発泡プラスチック断熱材とは?
発泡プラスチック断熱材は、プラスチックを発泡させた微細な独立気泡構造をもつ材料です。気泡内には発泡ガスが封入されており、断熱性能に優れるほか、吸湿性が小さい、
板状で剛性があるなど優れた特長があります。
樹脂の種類や生産方式の違いなどにより、下図のようにビーズ法ポリスチレンフォームのほか押出法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームがあり、
発泡プラスチックに共通する特長を保持しつつ、それぞれに固有の物性あるいは特⾧を活かした用途に供されています。JIS
A
9521建築用断熱材ではこの4種類が、発泡プラスチック断熱材として規定されています。
発泡プラスチック断熱材は 建築用断熱材のほか、保温用途や土木用途など幅広く使用されています。
EPS断熱材とは?
ビーズ法ポリスチレンフォームは発泡プラスチックの中のひとつで、ポリスチレン樹脂と炭化水素系の発泡剤からなる原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に充填し加熱して製造します。金型によって様々な形状の製品をつくることができる点が他の発泡プラスチックと比較して大きな特長で、断熱材以外にも容器、緩衝材など多様な用途に使用されています。また、大型のブロックは軽量で強度がある特長を活かして土木用嵩上材として使用されます。
発泡プラスチック断熱材の物性
建築材料として使用される発泡プラスチック断熱材には、用途によって様々な物性が関係します。また、物性によっては密度や温度に依存し、いくつかはJISの規格として規定されています。ここでは発泡プラスチック断熱材の中のEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を中心にまとめています。
発泡プラスチック断熱材と火災
建設現場で使用される発泡プラスチック断熱材は様々な種類があり、国土交通省告示区分で難燃材料、準難燃材料等に区分される材料もあります。いずれも有機物であるため条件によっては着火する可能性があり、着火した後は急速に燃焼が拡がる危険性を有していることから、火気管理の徹底等、火災防止対策に留意して使用する必要があります。ここでは発泡プラスチック断熱材の防火上の取り扱いについてまとめます。