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新しく提案されたHEAT20冷房期の目標性能
住宅の冷房負荷は、暖房期の暖房負荷と同様に、断熱性能を向上させることにより削減することが可能と考えられますが、そのためには開口部からの日射侵入対策を十分に行うことが必要となります。
暖房期の住宅において、非暖房室室温は外気温まで低下すると考えられますが、冷房期の室温は断熱と日射遮蔽(開口部、躯体)を考慮しない場合、天井断熱の小屋裏空間が60℃近くになるなど外気温より上昇することが知られています。つまり温暖地、常暑地の住宅では、躯体断熱と開口部の日射遮蔽を強化することで非冷房空間の温度上昇をどこまで押さえ込むことができるかというのが目標となります。
一方で、現在の冷房期の省エネ基準評価では一般的な空調機を使用し一定の空調モードでのエネルギー使用量で評価されています。しかし、断熱水準の高い住宅では、通常より小型の空調システムでも十分な室温調整能力となることがHEAT20実態調査でも明らかとなりつつあります。
こうした背景の下、従来の省エネ基準評価では、温暖地の場合
1)部分間歇空調、2)特段の日射遮蔽対策なし、3)外気導入による通風対策なし
とした場合の一次エネルギー評価を行うことが一般的でした。
今回提案された性能目標では、平成28年省エネ基準適合住宅において空調機を全館連続運転した場合の一次エネルギー使用量を標準負荷とし、そこからの削減率として設定されています。
目標性能としては
-30%以上・・・・・・G(1~3)-A
-40%以上・・・・・・G(1~3)-B
とし、表示方法は「G(1~3)」の後に「-A」又は「-B」と表記することとしています。
その際、G(1~3)-Bは温暖地で部分間歇運転をする場合と同程度のエネルギー使用量で全館連続運転が可能なレベルとして設定しています。